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葬制の基礎知識-ご臨終~葬儀・告別式まで

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はじめに

喪主の経験がある人ならまだしも、大多数の人はご家族がご逝去されたとき、「まず何をすればよいか」さえもわからず困惑してしまうものだ。

大切なご家族を亡くされたとなれば、まず心痛や動揺が先んじるのが当然であり、それは致し方のないことだ。

 

とはいえ、葬制に関する知識が「あまりに曖昧」であったり、「全くない」というのではいささか心もとない。

知識がないままに、近隣の葬儀屋の勧めるがままに、故人の葬儀を執り行ってしまうと、下世話なハナシながら必要以上にオカネがかかってしまったり、故人やご遺族の希望からかけ離れた葬儀になってしまいかねない

大切なご家族のため、若しくは必ずやってくるご自身の将来のためにも、今のうちから身近な誰かが亡くなった際に役立つ、葬儀やそれに纏わる一連の儀式について流れや意味を知っておくにことしたことはない。

 

ここではまず、葬制に関する基礎的な儀式の名称や意味、流れを解説していきたい。

※本稿で言うところの葬制とは、一般的な仏式のそれを指す。

参考記事:
葬制の基礎知識-出棺~初七日の法要まで
葬制の基礎知識-四十九日~納骨まで
葬制の基礎知識-百か日法要~三十三回忌まで

 

そもそも葬制とは

葬制(そうせい)とは、狭義には、火葬や土葬等といった主にご遺体の処理方法のことを意味するが、広義には、亡くなった人について執り行われる一連の弔いのための宗教的な習慣や制度を意味し、日本では後者の広義の意味で使用されることが多い。

つまり、通夜・葬儀・告別式も総じて葬制に含まれることとなる。

 

日本における葬制は、狭義の意味では火葬の後に墓に埋葬することが原則で、広義の意味では地域・宗派によって様式は色々と異なっている。

※衛生上の問題から東京都や大阪府は条例によって土葬を禁じているが、地域によっては、土葬が可能なところもある。

※火葬や埋葬については、墓地、埋葬等に関する法律という法律があるが、必ずしも火葬を義務付けるものではない。

 

臨終後の流れ

ここからは、実際に身近な人がご臨終されて際の、主な葬制の流れを紹介していく。

 

人が亡くなったとき、それが病院内であればそのまま医師に、自宅であれば医師を自宅に呼び、ご臨終を確認してもらった後に死亡診断書を作成してもらう。

ご遺体は死に水(しにみず:筆や脱脂綿に水を含ませて、ご遺族・ご親族が順番にご遺体の唇を軽く湿らせること)を取り、死化粧(しにげしょう:ご遺体を生前の姿に近づけるため髭を添って髪を整え、薄化粧をしたうえで、故人が女性であれば口紅をさす)をする。

 

死亡診断書を受け取ったら、葬儀屋および僧侶(お坊さん)を手配し、ご遺体の搬送先を決める。

ご遺体の搬送先は自宅か斎場、若しくは葬儀屋の遺体安置施設となろう。

 

葬儀屋が到着したら、ご遺体を安置する搬送先に搬送する。この際、遺体搬送を依頼する葬儀屋と、葬儀の執行を依頼する葬儀屋は別々でも構わないので、時間がない場合は、とりあえず遺体搬送のみを依頼するのがいいだろう。

ご遺体を安置場所まで搬送してひと段落着いたら、次は葬儀の執行を依頼する葬儀屋を決め、その葬儀屋と納棺・通夜・葬儀の手配を進めることとなる。

※浄土真宗等、宗派によっては死に水をとらない習慣の宗派もある。また、それを「末期の水」と呼ぶこともある。

※自宅でご臨終を迎えた場合、死に水や死化粧は葬儀屋の到着を待って、葬儀屋に任せてしまって構わない。

※葬制に関してわからないことがあれば、お布施(ふせ:法要に際して、読経のお礼として僧侶に渡すオカネのこと)の金額等も含めて、気軽に葬儀屋にアドバイスを求めるべき。

 

納棺とは

僧侶が到着したら、まずは安置したご遺体の前で枕経(まくらぎょう:死者の枕元で読むお経のこと)を読んでもらう。

枕経が済んだら、ご遺体に死装束(しにしょうぞく:白を基調とした衣装で、左前に着せる)を着せ、葬儀屋が用意する棺桶にご遺体を納める。これを納棺(のうかん)という。

なお、棺桶の中には故人が生前愛用していた趣味や仕事の道具、衣服等も一緒に納めることができるが、それらの品物もご遺体とともに棺桶ごと火葬するため、燃やすことができない指輪等の貴金属や、金属部位がある品物は納棺することができないので注意が必要だ。

 

納棺が完了したら、霊柩車(若しくは寝台車)で通夜会場にご遺体を納めた棺桶を搬送する。

※この前後で僧侶と戒名(かいみょう)の手配などを打ち合わせることになる。

※この段階でお布施を僧侶に渡すのか、通夜でまとめて渡すのかは、地域のしきたりや葬儀のスケジュール等によって異なってくるので、わからなければ葬儀屋に予めアドバイスをもらっておく。

 

通夜とは

葬儀の前夜に、故人を偲び、故人との最後の夜を夜通しで過ごす儀式を通夜(つや)という。

 

通夜にはご遺族・ご親族の他に、生前の故人が親しくしていた人や近隣の人等の一般弔問客にも列席してもらい、僧侶がご遺体の前で読経をする間に、喪主・遺族・親族・一般客の順で焼香(しょうこう)する。

 

読経と焼香が済んで、僧侶の法話を拝聴した後は、通夜振る舞い(つやぶるまい)といって、喪主が僧侶や列席者に食事やお酒を振る舞う会食を催す。

自宅や親族の本家にて、親族が総出で集まって執り行われる通夜では、文字通り夜通し酒を飲みながら故人を偲ぶことも少なくない。

だが、都市部の斎場で行われる通夜は、法要の後に一同で会食するのではなく、列席して焼香を済ませた順に、別部屋に用意された食事やお酒を飲食しながら故人をそれぞれで偲び、列席者ごとに挨拶をして帰っていく形が大多数を占めるようになっている(これを半通夜という)。

この形式の場合、通夜振る舞いの終了を持って通夜は終了となる。

 

なお、僧侶が法要後に通夜振る舞いを辞退して帰られる際は、「御膳料(おぜんりょう)」という名前でオカネを包む習慣がある地域が少なくないので、前もって確認しておきたいところだ。

※焼香とは故人を弔うための作法の一つで、細かくしたお香を指でつまんで香炉に少しずつ落し、落した香を焚くこと。一度で2度焼香する宗派と、3度焼香する宗派にわかれる。

※自宅で通夜を執り行う際等は、なるべく線香と蝋燭の灯りを絶やさないことが望ましいが、寝ずの番をしたがためにご遺族が体を壊してしまっては元も子もないので、疲れていれば無理をする必要はない。

※通夜の前後どちらかで、僧侶にお布施を渡すことが一般的。

 

葬式・葬儀・告別式とは

通夜の翌日は葬儀(そうぎ)となる。

葬儀」と「葬式」は同じ意味の言葉とされがちであるものの、元々「葬式」とは、「葬儀」と後述する「告別式」をまとめて執り行うことから派生した造語(葬式=葬儀+告別式)である。

 

葬儀は、故人の冥福を祈り、あの世へ送る儀式で、本来はご遺族やご親族といった故人の近親者が集まって執り行う。

一方で告別式(こくべつしき)とは、故人が親しかった友人や近隣の人等、一般弔問客が故人と最後のお別れをする儀式だ。

つまり、厳密に言えば、ご遺族やご親族が焼香および故人とのお別れを済ませた段階までが「葬儀」であり、焼香の順が知人や友人等に移った段階からが「告別式」となる。

 

宗派や地域によって異なるが、一般的に、葬儀では列席者が一堂に会して着席し、弔辞(ちょうじ)があればその一部を司会(葬儀屋が務めることが多い)が読み上げ、次いで僧侶の読経のもと、通夜の時と同じ順番で焼香を行う。

読経に際して、僧侶によって戒名を与えられた故人は、仏弟子となって仏門に入ることとなるが、これを受戒(じゅかい)という。

 

僧侶の読経が始まると棺桶の蓋があけられて、参列者は焼香後に故人に拝顔して別れを告げる。

これが一通り終了し、読経が終わると葬式の終了となり、その後は出棺・火葬・納骨へと続く。

※焼香が一通り済んだところで以降を告別式とし、棺桶の蓋をあけて、棺の中に差列者が順に花を手向けることを告別式とする形式もある。

※葬式が終了したら、タイミングを見計らって、僧侶に御車代(おくるまだい:僧侶が斎場までハイヤーやタクシーで来場した場合にお支払する)とお布施を渡す。ただし、そのまま出棺・火葬となるので、渡すのは火葬場でひと段落してからでもよい。

 

参考記事:
葬制の基礎知識-出棺~初七日の法要まで
葬制の基礎知識-四十九日~納骨まで
葬制の基礎知識-百か日法要~三十三回忌まで

 

本記事は、2014年08月05日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
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