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葬制の基礎知識-出棺~初七日の法要まで

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はじめに

前回の記事(葬制の基礎-ご臨終~葬儀・告別式まで)では、亡くなった人について執り行われる一連の弔いのための宗教的な習慣や制度を意味する「葬制」について、ご臨終から納棺通夜葬儀告別式までの流れを紹介した。

今回は、その続きとなる出棺火葬還骨法要初七日精進落としまでを解説する。

参考記事:
葬制の基礎知識-ご臨終~葬儀・告別式まで
葬制の基礎知識-四十九日~納骨まで
葬制の基礎知識-百か日法要~三十三回忌まで

 

出棺とは

告別式が終わった後は、ご遺体が納められた棺桶を霊柩車に乗せ、ご遺族およびご親族が随伴して火葬場へ送る儀式である出棺(しゅっかん)へと続いていく。

 

告別式が終わったら、ご遺族やご親族のほか、一般弔問客も含めた参列者全員で、順番に棺桶の中に花(別れ花と呼ばれる)を手向けながら、棺桶の蓋を閉じる前に故人との最後の対面を行う。

参列者が一通り別れ花を手向けたら、最後にご遺族やご親族が棺桶の中に、生前、故人が好んで食べた好物や愛読書、趣味の品物等(火葬できないため、貴金属類は不可)を納め、棺桶に蓋をする。

棺桶に蓋をしたら、喪主やご遺族・ご親族が、ご遺体の頭の向きの方から順に釘を小石で2回ずつ打って蓋を固定する。これを釘打ちの義(くぎうちのぎ)と呼ぶ。

 

釘打ちが完了したら、主に男手2~6人で棺桶をご遺体の足の向きから霊柩車に運び入れる。その際、喪主はご位牌を持って棺桶に続き、また、ご遺族のうち1名が遺影を持ってこれに続いて歩く。

火葬場までの道程、霊柩車の助手席にはそのままご位牌を持った喪主が座り、後部座席には僧侶と遺影を持ったご遺族が座る。他のご遺族・ご親族は、別の車で霊柩車に同伴して火葬場へ向かうが、火葬場へはあまり大勢で行くことができないため、一部は残って式場や自宅の片づけを行うのが一般的。

なお、喪主は霊柩車に乗り込む前に出棺を見送る参列者に対してお礼・挨拶を述べ、見送る側の参列者は合掌して出棺を見送る。

※棺桶には貴金属類の他、全体がプラスチック樹脂でできている物や、陶器、ガラス製品(メガネも不可)、写真(一緒に写っている人の縁起上の問題から避けた方がよいとされている)、入れ歯(賛否あり)等も一般的に入れることができない。

※蓋は、最後に葬儀屋がしっかりと固定してくれるので、釘打ちの儀においてはあまり強く釘を打ちつける必要はない。

 

火葬・骨上げとは

ご遺体を火葬するには、火葬場に埋火葬許可証(まいかそうきょかしょう)を提出する必要がある。

埋火葬許可証は、市区町村役場に故人の「死亡届(しぼうとどけ)」を提出することで発行してもらえるので、葬儀準備の合間を縫ってご遺族が手続きを行っておく。

 

火葬場では、ご遺体を納めた棺桶が火葬炉(かそうろ:ご遺体を火葬する窯)の前に安置され、焼香台が置かれているので、僧侶の読経の間に参列者全員で順に焼香を行う。

読経および焼香が済むと、いよいよ棺桶が炉の中に納められ火葬が開始される。

火葬が完了するまで1~2時間を要するため、その間、参列者は控室で軽食をとったり、火葬炉の前に設置された祭壇に線香をあげたりして過ごすのが一般的だ。

 

火葬が完了すると火葬場の係員から声掛けがあるので、参列者全員で収骨室(しゅうこつしつ)に向かう。

収骨室には火葬炉で火葬されてご遺骨となられた故人の遺灰が骨上げ台(ほねあげだい)に運ばれているので、ご遺族は係員の指示に従って骨上げ(ほねあげ:骨揚げと書く場合もある)を行う。

骨上げとは、火葬されたご遺骨を二人一組になって箸で拾い上げ、骨壺(こつつぼ)に収める儀式のこと。分骨(ぶんこつ)する場合は事前に係員に希望を伝えておくと分骨容器を用意してくれるので、ご遺骨の一部を当該容器に骨上げする。

骨上げが完了したら、火葬前に提出した埋火葬許可書に火葬済の証印を押した状態で返却してくれるので、ご遺骨とともに受け取り、納骨(のうこつ)まで大切に保管すること。

※ご遺体を火葬することを「荼毘(だび)にふす」とも呼ぶ。

※火葬場に僧侶が同伴しない場合は、読経なしで焼香のみを行う。

※火葬場によっては、喪主に火葬炉の鍵を預けるところもあるので、鍵を預かったら火葬完了まで大切に保管しておくこと。

※火葬中の控室で供される軽食は、喪主が用意しなければならない場合もあるので、予め葬儀屋に確認しておく。

※火葬場によっては、収骨室のことを拾骨室(しゃこつしつ)と呼ぶところもある。

※例えば、別地方から嫁いできた方のお骨を、実家と嫁ぎ先の双方の墓に納骨(のうこつ)することを分骨という。

 

還骨法要とは

骨上げしたご遺骨は、火葬場で正方形の木箱に入れて上から白い布で覆った形で渡してくれる。このご遺骨の受け渡しを持って火葬が終了となり、自宅へ戻ることとなる。

自宅では葬儀屋もしくは火葬に参列しなかったご親族が後飾り壇(あとかざりだん)と呼ばれる、白い布を掛けた小さな机を用意しているので、帰宅後は持ち帰ったご遺骨とご位牌、および遺影をそこに安置する。

後飾り壇の準備が完了したら、一連の葬儀の締め括りとなる還骨法要(かんこつほうよう)を営む。

 

還骨法要とは、僧侶が還骨回向(かんこつえこう)というお経を読経する間にご遺族・ご親族が順に焼香をして、ご遺骨となって帰宅した故人を追悼する儀式。

これをもって葬儀・告別式当日に行う儀式はすべて終了となる。

※還骨法要は宗派によって呼び方が異なり、還骨勤行(かんこつごんぎょう)や安位諷経(あんいふぎん)、骨迎え(ほねむかえ)等とも呼ばれる。

※還骨法要で唱えるお経も還骨回向とは限らず、宗派によって様々。

 

初七日法要・精進落しとは

ただし、最近ではご遺族・ご親族および僧侶の負担を考慮して、本来、故人が亡くなった日から7日目に行う初七日(しょなのか)という法要を、繰上初七日(くりあげしょなのか)という形で還骨法要後にあわせて行ってしまうことが通例となりつつあるため、都合にあわせて予め僧侶や葬儀屋に相談しておく。

なお、初七日の法要も、同じく僧侶の読経と焼香をもって執り行われる。

 

故人の死後、そのご遺族やご親族がしばらくの間、慎み(つつしみ)喪に服す(もにふくす)ことを漢字一字で「(き)」と表す。

仏教において、この忌は四十九日(しじゅうくにち:故人が亡くなった日から49日目を差し、この日も法要を行う)をもって明けるとされており、厳格な仕来りでは、ご遺族・ご親族は忌明け(きあけ)までは精進料理(しょうじんりょうり:野菜・豆類で作る質素な料理)をとり、忌明けから通常の食事に戻すこととされている。

この、通常の食事に戻すことを精進落し(しょうじんおとし)と呼ぶ。

現代では、精進落しは四十九日ではなく初七日の法要時に、僧侶の他、葬儀に助力してくれた親しい間柄の人達を、ご遺族が感謝の意味でもてなす会席の場とされる。

そのため、初七日を繰り上げて還骨法要とあわせて執り行う場合は、法要後に精進落しまであわせて行う。

 

精進落しが済めば、一般的に四十九日までは目立った儀式はないので、日々後飾り壇に線香をあげてお参りをしながら、暫くは喪に服して生活することとなる。

※繰上初七日は、付け初七日(つけしょなのか)等とも呼ばれる。

※時間の都合等で、火葬場で火葬完了を待つ間に精進落しを行うこともある。

※精進落しの前後でタイミングを見て僧侶にお布施を渡すこととなるが、僧侶が精進落しを辞退される場合は、あわせて御膳料(おぜんりょう)も渡す。

 

参考記事:
葬制の基礎知識-ご臨終~葬儀・告別式まで
葬制の基礎知識-四十九日~納骨まで
葬制の基礎知識-百か日法要~三十三回忌まで

 

本記事は、2014年08月12日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
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