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貧困や孤食から子供を救う、”こども食堂”

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”食”に貧しい子供たちを支援

2013年5月下旬、大阪府北区天満のマンションの一室から成人女性と幼子の遺体が発見された。2人は、夫によるDV(配偶者間暴力:Domestic Violence)被害から逃れてきた女性とその子供だった。

女性は、夫から逃れたい一心で親族にも居場所を伝えていなかったそうで、頼れる相手は誰もおらず、遺体発見時、部屋のガスや電気は止められていて冷蔵庫には何も入っていなかった。孤立した親子の生活は深刻な困窮状態にあったと見られている。

幼児の死因は”餓死”との見方が強く、室内には「最後にもっとたくさん食べさせてあげられなくてごめんね」と書かれたメモが残されていたのだという。

 

残念ながら、こういった貧困が原因の痛ましい事件はたびたび起こる。

現代であろうと、狩りや漁をして暮らしていた時代であろうと、子供は親から食べ物を与えられて育つものだ。

別段、この事件の親の非を責めるわけではないが、この子の他にも、親の都合でひもじい思いをする不憫な子供は日本中に溢れている。

 

また、家庭の事情で、夕食に一人でコンビニ弁当や菓子パンを食べて過ごす”孤食”の子供も非常に多い。

今、そんな”食”に貧しい子供たちを支援しようと、各地域である取り組みがなされ始めている。

こども食堂”だ。

 

”こども食堂”とは

こども食堂の生みの親は、東京都大田区で八百屋だんだん(出雲の方言で”ありがとう”を意味するのだとか)を営む近藤博子さんだ。

なんでも、家庭の事情で給食以外はバナナしか食べていない子供が近所にいるというハナシを耳にしたことがきっかけとなり、八百屋の店舗を利用して、子供一人でも入れる食堂を開いたのだそうだ。

 

だんだんのこども食堂は、毎月第2・第4木曜日に営業。

子供は300円、大人は500円という安価で”近所のおばちゃんたち”が作る、暖かくて美味しい手作り料理をたべることができる。

 

1人でやってきて、他の子と楽しくおしゃべりしながら食事をとる子供がいたり、母子家庭の親子で来店し、食事が終わった後もしばらく店に居残って、子供同士が遊んでいる向こうで、親同士が悩みを相談しあったり、育児や地域の情報を共有しあったり

一見すると単なる限定営業の近所の安い食事処でしかないが、そこには地域の子供たちとその親が集う、個人個人が孤立しがちな現代社会の問題点を具体的に解決する”居場所”がある。

参考サイト:気まぐれ八百屋だんだん

 

各地に広がる”こども食堂”

このだんだんの近藤さんが始めた”食育”の取り組みは、どうしても地域コミュニティとの繋がりが希薄になりがちな都心を中心に、各地に広がりつつある。

”地域の子供を地域で見守り地域で育てる”をコンセプトにするNPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワークが手掛ける”要町あさやけ子ども食堂”も、貧困のせいでお腹をすかせている子供や、孤食が日常になっている子供に、賑やかな食卓を提供することで孤立しがちな親子を支援している。

要町あさやけ子ども食堂は、東京都豊島区要町の住宅街にある山田和夫さんの自宅を開放する形で、第1・第3水曜日に営業。

誰でも300円で、取り組みを知って協力してくれる農家の野菜等を使った、栄養バランスに優れた食事をいただくことができる。

参考サイト:NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク「要町あさやけ子ども食堂」

 

東京都練馬区の”ねりまこども食堂”は月2回、月曜日に活動(2015年4月27日に活動開始とのこと)。

やはり300円で栄養バランスの良い夕食を提供するのだそうだが、家庭の事情によっては食事代を無料にしてくれるのだという。

参考サイト:ねりまこども食堂

 

この他にも都内であれば、荒川区社会福祉協議会が後援を務める”子ども村:ホッとステーション”や、調布市のNPO法人Kiitos(キートス)が手掛けるこども食堂があるようだ。

参考サイト:子ども村:ホッとステーション
参考サイト:NPO法人Kiitos【青少年の居場所】

 

都外では、大阪府生野区・高槻市で、大阪子どもの貧困アクショングループCPAOが”いくのCPAOしょくどう”と”とんだCPAOしょくどう”を開催。

支援者から提供される食材を使った料理は、なんと子供なら無料なのだそうで、食事が終わった後は、子供たちが遊んでいる傍らで、親が集まってお酒を嗜みながら育児議論を交わすのだそうだ。

参考サイト:大阪子どもの貧困アクショングループCPAO

 

食卓をみんなで賑やかに囲むだけのこと

こども食堂にやってくるのは、生活保護で暮らす母子家庭の親子や、毎晩幾らかのオカネを与えられて自身で夕食を調達している孤食が日常化した子供日本語があまりできずに孤立している外国籍の子供ら等。

そこに集まって食事をともにすることで、まずは周囲や地域が子供やその親が抱える問題の実情を知ることができる

そこに学習が遅れている子供がいれば、学習支援教室を開催して支援する。

中には、こども食堂に来店した中学生が金銭的な事情で高校進学を諦めたと知り、その子の高校進学のために地域ボランティアが支援を募ったお陰で、無事にその子を高校に進学させてやれたケースもあるのだそうだ。

 

不定期営業や限定営業であっても、営業日には多くの親子がこども食堂を訪れるという。

”近所のおじちゃん・おばちゃん達”が作る料理を子供たちが手伝い、出来上がった料理が並べられた食卓をみんなで賑やかに囲む。

たったそれだけのことが、”それだけのこと”すら満足に出来ていない子供にとっては大きな楽しみであり、”それだけのこと”すら子供に満足にしてあげられない事情のある親にとっては、自身の息抜きにもなるし、親子の孤立を防ぐことにもなる。

こども食堂は、そんな親子の大切な居場所となりつつあるようだ。

 

参考記事:
シングルパパだって大変!父子家庭の孤立問題
サイレントプアに陥るシングルマザー世帯
期待高まる、ひとり親世帯向けシェアハウス

 

本記事は、2015年03月31日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
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prof Kasiko編集部

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