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資金決済法のポイント ~有償ポイントの発行と前払式支払手段~

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はじめに

 ゲーム内通貨などウェブサービス内で使用できるポイント等を有償で発行する場合には、資金決済に関する法律(資金決済法)に定める「前払式支払手段」に関する規制に注意が必要です。

※「前払式支払手段」に関する規制は、従来、商品券やギフト券などの紙媒体の金券等を対象としていましたが、近年ではアプリゲームや動画投稿サービスなどのウェブサービスで用いられるデータの形式による有償ポイント等にも適用対象が拡大され、有償ポイントを用いたウェブサービス等を行う場合には注意が必要です。

 

前払式支払手段に該当する場合とは

【4つの要件】
 資金決済法の適用を受ける「前払式支払手段」 とは以下のような4つの要件を備えるものをいいます。(法律上の定義は難しいため、私なりにできる限り簡単に表現してみました。法律上の正式な定義については資金決済法第3条第1項をご覧ください。)
1.一定の金額等の価値が記録されていること(表彰性)
2.記録された価値に応ずる対価が支払われて取得されること(有償性)
3.番号・記号等が発行されていること(特定性)
4.番号・記号等の提示等により物品購入やサービス提供を受けられること

【適用除外】
 ただし、上記に該当する場合にも以下に該当する場合には適用除外となります(資金決済法第4条)。
1.乗車券、入場券その他これらに準ずるものであって、政令で定めるもの
2.発行の日から政令で定める一定の期間(6月)内に限り使用できる前払式支払手段
3.国または地方公共団体が発行する前払式支払手段
4.法律によって直接に設立された法人など国等に準じるものとして政令で定める法人が発行する前払式支払手段
5.専ら発行する者の従業員に対して発行される自家型前払式支払手段その他これに類するものとして政令で定める前払式支払手段
6.割賦販売法その他の法律の規定に基づき前受金の保全のための措置が講じられている取引にかかる前払式支払手段として政令で定めるもの
7.その利用者のための商行為となる取引においてのみ使用することとされている前払式支払手段

 

2つ目の適用除外は重要なのでぜひ覚えていてください。発行する有償ポイントの有効期限を6月以内にしておくことによって「前払式支払手段」の適用除外となります。

また、7つ目の適用除外によって、いわゆる消費者向けのサービスについてのみ「前払式支払手段」の規制が適用されることになります。

 

前払式支払手段に該当する場合の規制

【自家型と第三者型】
 「前払式支払手段」に該当する場合の規制は、その「前払式支払手段」が「自家型前払式支払手段」にあたるか、「第三者型前払式支払手段」にあたるかによって異なります。

※「自家型前払式支払手段」とは、発行される有償ポイント等が、その発行者のみに対して使用できるような前払式支払手段です。自家型前払式支払手段を発行する発行者を「自家型発行者」といいます。

※「第三者型前払式支払手段」とは、発行される有償ポイント等が、その発行者だけでなく加盟店などの第三者に対しても使用できるような前払式支払手段です。「第三者型前払式支払手段」を発行する発行者を「第三者型発行者」といいます。

【自家型発行者の規制】
 自家型発行者は、毎年3月末日及び9月末日時点(基準日)における発行済みの「前払式支払手段」の未使用残高が1000万円を超えた場合には、基準日の翌日から2月を経過する日までに、管轄する財務(支)局長に、自家型発行者としての届出を行う必要があります。
 また、発行済みの「前払式支払手段」について発行保証金の保全をしなければなりません。
発行保証金の保全は主に以下の3つの方法により行うことができます。
1.基準日未使用残高の二分の一以上の金額を供託する方法
2.金融機関等と発行保証金保全契約を締結する方法
3.信託会社等と発行保証金信託契約を締結する方法

【第三者型発行者の規制】
 第三者型発行者は、登録制です。事前に管轄する財務(支)局長に所定の登録申請書と添付書類により登録申請をする必要があります。純資産額が原則として1億円以上であることなどの要件を満たす必要があります。
また、発行済みの「前払式支払手段」の未使用残高が1000万円を超えた場合には、自家型発行者と同様、発行保証金の保全をしなければなりません。

 

前払式支払手段の発行を止める場合

 ウェブサービスの廃止や変更などに伴い、前払式支払手段の発行を止める場合も考えられます。このような場合、資金決済法所定の手続きにより前払式支払手段未使用残高について払戻手続をとる必要があります。

 手続きの概要は以下のようなものです。
1.財務(支)局長に対する払戻手続等に係る報告及び廃止の届出
2.日刊新聞紙による払戻の公告/営業所又は事務所及び加盟店における払戻の掲示
3.払戻公告に関する財務(支)局長への届出
4.払戻の実施(60日をくだらない一定期間を設定)
5.財務(支)局長への払戻完了の報告

 

本記事は、2017年02月06日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


この記事のアドバイザー

yoshida 吉田秀平

弁護士

上場企業の総務・法務を担当した経験を活かして、中小企業、ベンチャー企業、スタートアップの支援をさせて頂きたく思っています。訴訟になる前に、リスクが顕在化する前に、低コストで高い効果の予防法務サービスを提供することが目標です。

  • 所属:しぶや総和法律事務所


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