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進む領収書のペーパーレス化!スマホ撮影もOKに

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改正電子帳簿保存法

電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律-通称:電子帳簿保存法が2015年に改正され、2016年1月1日から適用されている。

この長たらしい名前の法律は、国に納める税金に関する帳簿・書類等を、(画像データ等の)電子データで保存する方法を定めた法律である。

電子帳簿保存法第1条(趣旨)
この法律は、情報化社会に対応し、国税の納税義務の適正な履行を確保しつつ納税者等の国税関係帳簿書類の保存に係る負担を軽減する等のため、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等について、所得税法、法人税法その他の国税に関する法律の特例を定めるものとする。

 

今回の改正の最大のポイントは、これまで3万円以下のものに限定されていた領収書や契約書の電子保存に関する金額基準が撤廃されたことであり、これにより事業運営におけるペーパーレス化がラストスパートに入ることが期待されている(電子化により原本は廃棄できる)。

参考サイト:国税庁「電子帳簿保存法におけるスキャナ保存の要件が改正されました(平成27年)」(PDF)
参考サイト:財務省「平成27年度税制改正の大綱(6/7)」(中段)

 

ただし、現状では領収書や契約書を電子データ化して保存するには、スキャナーでスキャンする必要があり、一定の手間がかかる。

これが来年2017年に更に規制緩和されて、タクシー代金等の一部の領収書については、スマホやデジカメで撮影した電子データであっても正式な経費証跡として認められ、原本を破棄できるようになるのだという。

政府・与党は従業員が経費精算のためにもらうタクシー代や飲食代などの領収書について、会社が保管する義務を2017年から緩める方針を固めた。領収書は税務調査の証拠となるため、原則7年間の保管義務がある。現在もスキャナーで読み取って電子データを保存すれば原本を捨てられるが、17年からはスマートフォン(スマホ)やデジタルカメラ(デジカメ)で撮影した場合も廃棄を認める。(引用元:2015年11月19日付け日経新聞)

 

スマホやデジカメで撮影した領収書データもOKに

スキャナ保存で証跡となる書類の金額制限が撤廃されたことで、事実上、すべての領収書や契約書は電子データで7年間保存をしておけば原本を廃棄することができるため、ペーパーレス化は大いに進展する。

しかしながら、日経新聞報道によれば、企業サイドでは「わざわざスキャナーでスキャンしなければいけない」点になお不満が強かったのだという。

営業マンの経費清算が、スキャナーが設置された事業所でしか行えないためだ。

それでも経済界には使える機器がスキャナーに限定されていることへの不満が強い。営業担当者などがデータ読み取りのため、わざわざ事務所に戻る必要があるほか、スキャナーの設置費もかさむためだ。結果として、企業の多くは原本をそのまま保管している。(引用元:2015年4月28日付け日経新聞)

 

スマホやデジカメで撮影した領収書の電子データが経費清算書類として認められれば、企業の経理部門では引き続きペーパーレス化が進むこともさらなることながら、営業担当者は経費清算の手間を大幅に省くことができる。

外出先で経費の立替払いが発生すれば、すぐさまレシートをスマホで撮影して経理部門に送信する。(企業ごとに細かいルールは異なるであろうが)、これだけで経費清算手続きの大部分が完了するのではなかろうか。

 

領収書の電子化にかかわる課題と効果

とはいえ、スマホやデジカメで撮影されていればどんな領収書でもOK-なんてことにはなろうはずもない。

撮影されたデータが経費清算の証跡として認められるためには、一定の要件が課される見込みだ。

 

例えば、自ら行う「撮影」は、スキャナーで原本を「スキャン」するよりも仕上がりが不鮮明になってしまう確立が遥かに高く、読み取ることができなければ当然に証跡とは認められないだろうから、相当の画質要件が課されるハズ。

また、手間が簡素化されることで、水増し等の不正が横行する可能性も高まる。画像改変等にも気を配る必要がでてこよう。

となると、企業の経理担当の確認作業や、経費清算を申請する社員の上長による決済時の確認作業の工程の見直しも必須となる。

なお、これらの課題に対しては、具体的に以下のような対策が企業側に求められると報じられている。

水増し請求などの不正を防ぐため、撮影前に従業員自らが領収書に署名する。電子データにした日時の記録も条件とする。(引用元:2015年11月19日付け日経新聞)

 

しかしながら、スマホやデジカメで撮影された領収書の電子データが正式に証跡として認められ、これまで束にして保管しなければならなかった紙書類が破棄できるようになるのであれば、それらを補って余りある効率化が期待できよう。

日本CFO協会などの試算によれば、領収書の電子化によって、洗い出される日本の経費関連コストの総額はなんと年間1兆円超になる。とりわけ経理部などの経費処理の作業量は一般に約70%も削減できるといわれている。(引用元:2015年11月30日付けダイヤモンド・オンライン)

 

本記事は、2016年06月21日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
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