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道交法違反(無免許・速度超過等)の刑事裁判

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道路交通法違反被告事件を担当した経験から

 今回は、無免許運転速度超過などの道路交通法違反被告事件を担当した経験から、道交法違反事件に関するあれこれを紹介したいと思います。

 道交法違反は比較的皆さんの周りでも発生しやすい犯罪かもしれません。ご自身や家族・友人が道交法違反をしてしまった際に今回の記事を参考にしていただければ幸いです。

※今回は、無免許・速度違反などの道交法違反の事実のみが発生したことを前提としており、例えば人身事故や物損事故となった場合には自動車運転過失致傷罪や器物損壊罪などのその他の犯罪も問題となってきますので、以下の説明は妥当しない場合もあります。

 

道交法違反でも刑事裁判になることがあります!

 道交法違反のうち「軽微な違反」(一時停止違反・駐車違反・30km/h未満の速度違反)については、いわゆる交通反則通告制度によって反則金を支払えば検察官が起訴をしないという制度によって、刑事裁判になりません(いわゆる青キップ制度)。

 しかし、無免許運転や酒気帯び運転、30km/h以上の速度違反などの「軽微な違反」にあたらない道交法違反については、交通反則通告制度の適用はなく、刑事裁判となる可能性があります。

 「軽微な違反」にあたらない道交法違反についても、簡易裁判所の管轄に属する比較的刑が重くない場合には、被疑者の同意を得ることによって、略式手続という簡易な手続によって刑事裁判が終わる場合があります。

 略式手続においては、裁判官は刑事記録を確認するだけで100万円以下の罰金又は過料を科す略式命令という裁判を行うことができます。被告人は裁判所の法廷に出廷する必要がなく、弁護人も付ける必要がありません。

 青キップ制度が適用されない道交法違反事件については、ほぼ略式手続により処理されますが、再犯である場合や、否認している場合、違反の程度が著しい場合など、検察官が罰金又は科料では足りず懲役刑相当と考えるような場合には通常の刑事事件として起訴される場合があります。

 このような場合、通常の刑事裁判となり、法廷に出廷し、弁護人をつけて裁判を行わなければなりません。

 

逮捕・勾留される場合もある!?

 道交法違反の場合、刑事裁判までに逮捕や勾留などの身柄拘束を受ける場合はあまりないと思いますが、以下のような場合には逮捕・勾留される場合もあります。

①定まった住居がない場合
②罪証隠滅を疑う相当な理由がある場合
③逃亡のおそれがある場合

 

 罪証隠滅については、被疑者が捜査に協力せず、かつ、重要な証拠が集まっていない、目撃者等との供述内容が異なっているなどの場合に認められる場合があります。

 逃亡のおそれについては、被疑者が住居・仕事が不安定であるか、家族等の身よりがいるかどうか、違反の重大性、被疑者の前科の状況等を考慮して判断されるようです。

 逮捕・勾留された場合には、最長で20日以上の身柄拘束を受けることになります。仕事や通学その他の社会生活に重大な影響が及ぶため、早期に弁護士に接見に来てもらうべきでしょう。

 

情状として考慮される事情は!?

 刑事裁判になった場合、多くは素直に罪を認めて情状に関する事情を主張することになると思いますが、例えば以下のような事情及び資料を主張・提出するとよいのではないでしょうか。

 

◆今後の監督が期待できる家族・上司等による情状証言(仕事上自動車と関係のない部署に配転する、家族が自動車の鍵を管理するなどの監督を行うことを述べてもらい、更生に協力してくれることを述べてもらいましょう。)

◆道交法違反(無免許・速度違反)の理由が、個人的な趣味などの勝手なものではなく、仕事上の理由等であること(仕事上の理由等があっても道交法違反が許されるものではありませんが、自由気ままに違反した場合と比べて、場面がある程度限定されており更生可能性もより認められることにより情状事情になると考えられます。)

◆自家用車か友人等から借りた車か否か(自家用車の場合には自動車を処分することによって再発防止に向けた決意等を示すことができます。また借りた車の場合には友人等に無免許であること等を宣言することにより再発防止の意思を示すができます。)

◆余罪がある場合には正直に話すこと(起訴対象となっていない無免許運転や速度違反についてもほぼ必ずと言って良いほど裁判において検察官又は裁判から質問を受けます。正直に話すことが情状として評価される場合も多いです。)

◆前科がある場合は前科から相当の期間が経過していること、前科以降再犯防止に向けて取り組んできたこと

 

実刑判決となる場合もある!?

 純粋に道交法違反のみの刑事事件の場合、初犯で実刑判決となることはほぼないと言えます。

 しかし、前科が複数ある場合で、更生可能性が認めがたいような場合には執行猶予が付けられず、実刑判決となる例もあります。

 この場合には、さらに情状に関係する事情を集めたうえで控訴することも検討した方がよいでしょう。

 

本記事は、2015年11月04日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


この記事のアドバイザー

yoshida 吉田秀平

弁護士

上場企業の総務・法務を担当した経験を活かして、中小企業、ベンチャー企業、スタートアップの支援をさせて頂きたく思っています。訴訟になる前に、リスクが顕在化する前に、低コストで高い効果の予防法務サービスを提供することが目標です。

  • 所属:しぶや総和法律事務所


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