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遺産相続に関する内容証明が届いた時の対処法

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差出人が誰でも、慌てないで済む心構え

もし、法律を扱う専門家である司法書士や弁護士、行政書士から内容証明が届いたら一般の人は大方驚くことだろう。

「○○代理人の(司法書士△△、弁護士△△、行政書士△△)」とあっても、○○に心当たりがあり、身内に不幸があった場合には未開封でも「遺産相続に関する内容証明かな」等と察しがつくかもしれないが、身内の不幸に身に覚えがない場合等では「すわ、何事か!?」となるのはやむを得まい。

そうなった場合に慌てないで済む心構えを伝えておこう。

 

まず、開封する前に差出人が誰なのかを確認する。差出人が(代理人ではなく)自分と同じ立場の相続人であれば問題はないので開封してもよいだろう。

ただし、代理人として司法書士や弁護士、行政書士を名乗っているなら、封書を切る前に正真正銘の法律家であることを確かめておきたい。日本司法書士会連合会や日本弁護士連合会、行政書士会連合会のWebサイトから、封書の名前と登録者の名前の一致を確認するのである。

万一Webサイトで法律家の登録を確認できなければ、直接、電話をかけて、本当に実在している司法書士や弁護士、行政書士なのかを聞いてみよう。

参考サイト
日本弁護士連合会「弁護士情報・法人情報検索」
日本司法書士会連合会「司法書士検索」
日本行政書士連合会「行政書士検索」

 

なお、差出人が代理人をなのっているものの法律家ではない場合は、未開封状態のまま、(代理人に依頼した)依頼人に連絡をして確認してみる。その結果、はっきりした確認がとれないようであれば、その内容証明は未開封のままでも構わないだろう(内容証明自体に法的な強制力があるわけではない)。

素性がよくわからない人物から届いた内容証明に対して、素人判断で易々と返答してしまうほうが極めて危険だ。万が一、裁判になった時に不利な証拠になってしまいかねないためだ(不安な場合は法律の専門家に相談してみるべき)。

※事前に遺産分割協議が行われ、あらかじめ代理人から内容証明が送られてくることを把握している場合は、すぐの開封でも問題はない。

 

「期限」には注意が必要

なお、内容証明を開封したところ、その内容が遺産相続に関する意思表示であれば、返答をしないわけにはいかなくなる。

例えば、遺産を承認して相続するのかハタマタ放棄するのかは、事実を知った3ヶ月以内に選択しなければならないという、民法の決まりがあるためだ。もし、相続財産が負債まみれであれば、期限内に相続放棄をしないと大変なことになる場合もある。

民法第915条(相続の承認又は放棄をすべき期間)
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人または検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。

内容証明に返答猶予期限の記載がない場合でも、法的な期限が迫っていることがあるため、全うな相手からの遺産相続に関する内容証明の放置は禁物だ。

 

自己判断で返答をしない方がよいことも

差出人(依頼人)が身内といってもこれまで交流が浅く人柄もあまりわからないケースや、差出人や代理人が問い合わせに応じないケース、一方的な主張ばかりを繰り返すケース等など、最初からトラブル含みで遺産相続に関する内容証明が送られてくることが多々ある。

こういったケースに対して、こちらもいきなり内容証明を出してしまったり、慌てて安易に返答をしたりしてしまうと、相手を混乱させてしまったり、感情を逆なでしてしまうかもしれない。

どのような対処をしてよいのか分からない場合は、自己判断はしない方がよい。

 

また、返答ではなく、疑問の解決のために問い合わせをすることは可能だ。

内容証明の内容が遺産相続分割協議書で、記載されている協議内容に何の異存もなければ、自分の判断で署名捺印(実印)をし、印鑑証明とともに返送すればよいが、何らかの疑問や到底、納得ができそうにない内容があれば、差出人や代理人に電話や手紙にて問い合わせをした方がよいだろう。

 

法律の専門家に相談する

法律を扱う専門家である弁護士、司法書士、行政書士から郵送される内容証明には、代理人として依頼人と正式な代理契約を結んでいることの証明の他に、目的が2つある。

1つめは、内容証明を出すほどの重要な内容であることを知らせること。2つめは、法律を扱う専門家が間に入ったことで裁判の可能性もあることを知らせることだ。

 

内容が到底承諾し得ないものであれば、当然、こちらも法律の専門家に介入してもらうべきなのは言うまでもなかろう。

また、内容が複雑で自分自身では理解しきれないような場合も、法律の専門家に相談をした方が間違いはない。

差出人や代理人が問い合わせに応じない場合や一方的な主張ばかりを繰り返す場合も、また然りだ。

内容証明を受け取った側も相続人の一人として、返答だけでなく、財産の正当性を主張することは当然の権利であり、場合によっては財産の調べ直しをすることもできるのだ。

 

本記事は、2016年03月11日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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