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野生動物を巻き込んだ交通事故-ロードキル

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「動物が飛び出すおそれあり」の警戒標識

道路標識とは、”道路利用者に対して、地理の案内や道路の警告、規制などの情報をお知らせする最も基本的なもの(引用元:国土交通省Webサイト)”であり、主に案内標識・警戒標識・規制標識・指示標識の4種類に大別することができる。

案内標識:目的地・通過地の方向、距離や道路上の位置を示す標識

警戒標識:注意深い運転を促す標識

規制標識:禁止、規制、制限等の内容を知らせる標識

指示標識:通行する上で守る必要のある事項を知らせる標識

参考サイト:国土交通省「道路標識」
参考サイト:国土交通省「道路標識一覧」(PDF)

 

この4種のうち、黄色地に黒色の矢印やイラストを描いて”付近走行中に注意すべきこと”を示している警戒標識は全27種。

湾曲した矢印が描かれた「右(又は左)方屈曲あり」や、電車のイラストが描かれた「踏切あり」、兄と妹と思しき児童が描かれた「学校、幼稚園、保育所等あり」等は、都心部でもよく目にする警戒標識である。

一方、郊外や山間部を走行中にしばしば目にするのが、蛇行する自動車が描かれた「すべりやすい」や、山肌から何かが落ちてくる様が描かれた「落石のおそれあり」、鹿が描かれた「動物が飛び出すおそれあり」等の警戒標識。

最後の「動物が飛び出すおそれあり」は、(鹿に限らず)野生動物が生息する地域であって、しばしば“ロードキル”が発生する地域に立てられる標識である。

※描かれる動物のイラストは鹿に限らず、地域によってタヌキやサル、熊、カニが描かれていることも。

 

ロードキルとは

ロードキルとは、自動車を走行中に野生動物を轢き殺してしまうこと。英語では”roadkill”と表記され、これを日本語に訳すと”轢死(れきし)”となる。

ロードキルで犠牲になる野生動物は、イノシシや鹿といった大型のものから、タヌキやウサギ等の小動物の他、鳥類等も。また、「動物が飛び出すおそれあり」の警戒標識がない、都心部等で犬や猫が自動車に轢かれて亡くなるケースもロードキルに含まれる。

 

とりわけ、この”ロードキル”が問題視されて方々で報じられるのが、沖縄県等で天然記念物に指定された保護動物が交通事故の犠牲になったケースだ。

環境省やんばる自然保護官事務所は13日、3月に国頭村内の路上で死んでいるのが見つかった国の天然記念物ヤンバルクイナ2羽の死んだ原因は交通事故だったと発表した。(引用元:2015年4月14日付け琉球新報)

イリオモテヤマネコの交通事故死に続き、過去に2回の交通事故から回復し、野生復帰したカンムリワシの「崎ちゃん」が3回目の事故で死んでいるのが見つかった。どちらも国の特別天然記念物で環境省を中心に保護活動を展開している最中でもあり、関係者はショックを隠せない。野生生物の道路慣れも懸念されており、ドライバーにはロードキル防止への意識改革が必要だ。(引用元:2015年3月26日付け八重山毎日新聞)

 

こうした貴重な生命をロードキルから護るため、天然記念物保護区域や野生動物生息地域では、道路の側面に動物の侵入を防ぐフェンスやネットを敷設したり、動物が道路を横断しなくても済む様に道路の下に”アンダーパス”と呼ばれるトンネル(けもの道)を掘ったりする等して対策しているのだという。

 

野生動物を巻き込む交通事故を起こしてしまったら

さて、それでは万が一、山道等を自動車で走行中にロードキルを起こしてしまった場合、ドライバーはどうすればよいのだろうか。

相手は野生で暮らす動物であり、潜んでいた道路脇の草木が生い茂った雑木林から突然飛び出してくることもあろう。ドライバーがいくら警戒標識を確認して注意していようとも、接触を回避できないこともある。

 

そんな時、まずもってやってはイケナイ行為が”放置”や”見てみぬフリ”だ。

野生動物が生息するような土地だからこそ、人目に着かないためか、ロードキルはしばしば”放置”や”見てみぬフリ”をされがちなのだが、野生動物相手であれ、交通事故を起こした場合は一般的な交通事故と同様に速やかに警察に通報し、警察の到着を待って事故処理を行わなくてはならない。

また、事故を起こした地域や動物の種類によっては、保護・管理を担う団体に連絡を入れる必要もあり、その場合は警察から指示があるのでそれに従って対応する。

※動物の死骸と言えど、いのししや鹿等の大型のものであってそれを放置してしまうと多重事故の原因となってしまいかねないが、ロードキルを起こしてしまったとしても、衛生的な面から素手で動物を路肩に寄せる等の行為は避ける。まずは周囲の安全を確保したうえで、速やかに警察に通報して指示を仰ぐべき。

 

動物相手の交通事故と自動車保険

なお、野生動物が相手の交通事故は、単独の物損事故自損事故扱いとなる。

そのため、野生動物との接触によって自動車が損壊した場合は自賠責保険が使えず、修理にかかる費用等の補償は任意保険頼みとなるが、契約している任煮の自動車保険が自損事故(車両保険)に対応していない場合は補償を受けることができないので注意が必要。

※自賠責保険は交通事故の被害者救済を目的としているため、”被害者のいない事故”は補償の範囲外。

一方で、対野生動物相手の交通事故でドライバーや搭乗者が怪我をした場合は、傷害保険で損害が補償されることとなる。

野生動物が多く暮らす地域に居住している人や、趣味でアウトドアを楽しむことが多い人は、対野生動物相手の交通事故の損害補償も検討しておきたいところだ。

 

因みにロードキルで死なせてしまった動物に飼い主がいた場合は、その飼い主に対してドライバーが損害賠償責任を追うことがあるが、その場合は対物賠償保険が補償してくれる可能性がある。

なお、飼い主のいる動物を轢いておきながら通報せずにその場を去ることは、”当て逃げ”となるので当然ながらご法度である。

 

本記事は、2016年04月15日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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