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離活(リカツ)は成熟社会へのステップ

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横ばい状態が続く離婚件数

厚生労働省の資料によれば、2013年の離婚件数(確定数)は231,383件で2014年の推定値は222,000件。人口千人に対しての率(離婚率)は、2013年で1.83。統計を取り始めた1947年の1.02からなだらかに上昇し、2002年の2.30をピークとして若干の下降はあったものの1.8台を保っている。一方で婚姻率はスタート時の12.0から下がり、2013年は5.3となっている。

国際比較をすると、アメリカの離婚率は3.6と日本よりも高いが、一方で婚姻率も6.8と、こちらも日本より高い。その他の国では、ドイツ:2.19、フランス:1.97、イギリス:2.05といずれも日本より高いが、婚姻率のほうはいずれも日本よりも低い。

人口統計の数字で注目されがちなのは、合計特殊出生率や労働力人口、65歳以上人口などであるが、これらは主に国としての経済力を左右する数字である。社会の安定ということに重点を移した場合、家族は大きな要素だ。なぜならば家族は社会の最少単位といっていい存在だからである。特に成長期にある子供にとっては、家族のメンバーや家族を通じて世間との接しかたを学ぶ、社会性を育むもう一つの学校となる。

その家族関係を解消することになる大きな要因である「離婚」は社会にどのような影響を及ぼすのだろうか?

参考サイト:厚生労働省「平成26年(2014)人口動態統計の年間推計」(PDF)
参考記事:止まらぬ人口減少 出生数も婚姻件数も最少に

 

離活(リカツ)は戦略的に

NHKドラマ「婚活・離活」の放映後から使われ始めたと言われる離活(リカツ)という言葉。一時の感情に流されず、離婚後の生活設計まで念頭に置いて計画的かつ戦略的に離婚を成功裡に成し遂げようとするもの。

この言葉からは、恋愛という淡い感情は一片も感じさせることなく、あくまで「契約」として処理してゆこうという響きが感じられる。事実、離活のためのセミナーには、法律的な問題もさることながら、離婚後の生活の安定のための財産分与をはじめ、仕事を得るための知識などを得る目的で参加する人が増えている。そしてその多くは女性である。

参考サイト:産経WEST「離婚へ「資金確保」の情報に動く妻たち・・・間離婚24万組の現実」

 

いつか実感する、結婚は契約という現実

恋に「落ちる」恋愛とは異なり、結婚はこれから新しい人生、家族をお互いに築くことを誓うもの。美しいが、法的な責任も発生するれっきとした「契約」である。それでも様々な理由でその契約を終了(=離婚)させることになるカップルも存在する。

そこで、最近では結婚前にお互いの取り決めを行う「婚前契約書」を作るカップルも少数ではあるが出てきている。恋愛結婚の場合、あまりにも現実的な紙切れに「興醒め」するかもしれない。

しかし、家族を経営する、という視点に立ってビジネスに置き換えてみるとよくわかる。ビジネスでは、あらかじめ出口戦略を立てて事業をスタートさせることは基本。家族においても役割分担して運営してゆく。その過程で、各々の価値観や目指す方向が修復できないほどに異なれば、やがて別々の道を歩むことは自然な流れであろう。

 

結婚・離婚さえも、意志によりWin-Winを目指すことが成熟社会への第一歩

精神的にも、経済的にも、社会的にも大きな負担を伴う離婚という行為。例え水面下の活動でも、冷静にお互いのWin-Winを目指して離婚を準備する離活(リカツ)は非難されることではない。

家族の入口である結婚を、愛がその動機のものさえも、契約として婚前契約を結ぶことも時代の要請である。各々の幸せのために考えるべきことを入口と出口の違う方向から考えたことに過ぎない。家族という、社会の基本単位が安定することは社会の安定につながる。ビジネス上の「契約」は、自立した市民の約束事であるというコンセンサスは既に社会に根付いている。

一方、「法は家庭に入らない」という言葉もある。しかし、愛情を前提とした家族といえども、構成員が自分たちの意志で日々努力して作りあげるもの。

恋愛という一時の感情に身を委ねるだけでは、長続きしないことが多い。

続けるための努力を怠った破局は枚挙に暇がない。恋愛を経由した結婚も、エーリッヒ・フロムが指摘したように、「自分の全人生を相手の人生に賭けようとする決断の行為」である(引用:「愛するということ」エーリッヒ・フロムより)。

賭けに失敗することもある。

その失敗から新たに人生をやり直すのも、お互いの意志で協力して行うことである。感情に身を委ねるのは楽で、意志を持って判断・行動することは厳しいことである。しかし、それが多数派になり、文化として定着してはじめて、「成熟した社会」への第一歩を踏み出すのではないだろうか。

本記事は、2015年06月22日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
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