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養育費がもらえない「シングルマザー」

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離婚後のシングルマザーを襲う、過酷な生活

子供がいて離婚をした場合、母親が引き取って母子家庭になることが多い。いわゆるシングルマザーである。

厚生労働省「平成23年度全国母子世帯等調査結果報告」によると、元夫と養育費について何らかの決めごとをしているのは全体の3割程度であり、書面によってきちんと内容を残しているのは、そのうちの7割しかない。さらに、そこから実際に養育費を払ってもらっているのは、2割弱しかないのだそうだ。

いかに、ほとんどのシングルマザーが離婚後、着の身着のままでの生活を強いられているかがわかるであろう。

親族からの援助も受けられず、自身の収入だけでは生活できないために、生活保護に頼るシングルマザー世帯も少なくない。

 

養育費への理解・自覚がない

養育費とは読んで字の如く、子供を育てるのに必要な費用である。これには、子供の衣食住に関わる費用、教育費、医療費、文化費、娯楽費、交通費などを含めた一切合切が含まれる。

つまり、親が諸事情あって離婚しようとも、その子供に対しては、離婚をする前と同じような環境を用意しなければならない。これは社会通念上、親としての義務とされる。

ところが、日本人の感覚においては、慰謝料と養育費を一緒に考えていることも多いため、養育費を払うべき側が「支払いできない」と開き直るケースが後を絶たないのである。

養育費は、支払わなくてはならない費用だ。如何に元婚姻相手に婚姻時の不満が積もっていようが、それが恨み辛みにまで転じていようが、養育費はその相手へのものではなく、子供のために支払うものだからだ。

 

揉めることを嫌って話し合いをうやむやにしてしまったり、離婚訴訟や養育費の調停を起こさずにいれば、収入の少ないシングルマザーとその子供がその後の生活に苦労することになる。「顔も見たくない相手」であっても、養育費を含めた離婚の決め事は、“事務的に粛々と”で全く構わないので、必ずやっておかなくてはならない。

※なお、養育費の相場は、子供が1人の場合2~6万円/月、2人の場合4~6万円/月が多いようであるが、個人の資産、収入、職業、社会的地位などを全体に考慮しながら決められるため、これらの数字はあくまで参考程度とし、二人で決めた金額に不安・不満があるようならば、専門家に相談することをオススメする。

 

養育費が支払われない理由

しかしながら、たとえ、離婚協議書によって離婚に関する合意内容を書面として残したとしても、いつしか養育費が支払われなくなることが多々ある。

原因は単純だ。養育費を支払う側の支払い能力がなくなる、若しくは、支払いをうやむやにしてしまうためだ。何らかの経済的理由で「ない袖を振れない」状況に陥るのはさて置き、なんとなく支払いを「うやむや」にしてしまうケースが多い背景には、日本では9割が協議離婚をしていることが挙げられる。

世界を見てみると、「数年間の別居期間を挟んでから裁判をしてやっと離婚が成立する」等といった国が少なくないのに対して、日本では「話し合いをして離婚届を提出するだけ」で、いとも簡単に離婚してしまう夫婦が9割を占めるのだ。

 

こうした現状が後々シングルマザーとなった自分を苦しめてしまう。最低でも、法律の専門家に依頼して離婚協議書や公正証書をきちんと作成しておけば、養育費支払いの履行勧告や差し押さえについて法律に基づいた手段がとれる。

これが話し合いだけの協議離婚では約束事に法的強制力がないため、相手の都合や気分一つで泣き寝入りするしかなくなってしまうのである。

 

養育費や慰謝料の請求で困ったら

「慰謝料もなく、離婚をして2~3年経ってしまった」「今、離婚条件で揉めている最中だ」「養育費の支払いがなくなった」というような、離婚に伴う養育費や慰謝料の請求で困っていたら、弁護士に相談してみることが最善策だ。

いきなり弁護士事務所に行きにくいならば、国の法的相談窓口である「法テラス」に相談してみるのもいい。電話・メール・窓口のどの方法でもまずは無料で話を聞いてくれる。弁護士・司法書士費用の分割払い制度の案内もあるので、何でも問い合わせてみることをお勧めする。

 

ちなみに、財産分与は離婚後2年以内、慰謝料の請求は離婚後3年以内、養育費の請求は子供が未成年のうちなら家庭裁判所での申し立てが可能である。

その他、各都道府県や各市町村が自主的に設置している、女性のための総合施設がある。「女性センター」、「男女共同参画センター」、「男女平等推進センター」、「福祉施設」など、各施設により名称は違うので、ぜひ、お住まいのある自治体に問い合わせてみたい。

 

なお、シングルマザーが頼れる支援制度としては、以下のような制度があるので窓口で相談・申請をしてみたらどうであろう。

児童手当、児童扶養手当、特別児童扶養手当、障害児福祉手当、児童育成手当、母子家庭・父子家庭の住宅手当、生活保護、ひとり親家庭等医療費助成制度、乳幼児や義務教育就学児の医療助成、遺族年金など。

 

本記事は、2015年12月03日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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prof Kasiko編集部

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