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Brexit-英国がEU離脱へ!今後の見通しは?②

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英国のEU離脱で、これから英国自身に起こること

<英国国内で続く混乱>

英国国民投票が終わり、開票が始まる直前までは、世界的に「残留派が勝つ」という楽観論が多勢であった。そのため、事態が真逆の結果に終わった今、「残留派の敗北」という事実に、「想定外のサプライズ」という混乱加速要因が加味されて、世界中をバタつかせている。

なお、楽観論は英国国内の離脱支持派の中にもあったようだ。

国民投票が離脱派勝利に終わったことを受け、これに納得できない残留派が「国民投票のやり直し」を求めた署名活動を開始し、当該原稿執筆時点で数百万人分の署名を集めたことが伝わっているが、この中には離脱支持に投票した人が極めて多数いるとのこと。

要は、目の前の不満にかられて離脱を支持したものの、「まさか本当にEUから離脱することになるとは思っていなかった」「EUを離脱することの重大さが理解できていなかった」という人が少なからぬ人数いるのだ。

離脱派の勝利確定が伝わると、英国では検索サイトにて「EUとは?」「EUを離脱するとどうなる?」等という検索ワードでの検索数が急増し、類似の検索ワードが上位ほとんどを占めるに至ったのだという。

今回の国民投票が、自身の未来を左右する程の一大事であったことを認識していなかった英国人が少なくなかったことの証左であろう。

残留派はそうした一部の”元”離脱支持者に対する口撃を強めるなど、EU離脱が決定的となった今なお、英国国内では国論を二分した”言い争い”が終わり無く続いている。

 

<連合王国の崩壊危機>

2014年9月、英国域内ではこれとは別の大きな問題を決着させるための国民投票(住民投票)が行われた。スコットランドの英国独立を問う投票だ。

参考記事:
スコットランド独立運動と「イギリス」の行方
スコットランドの独立は反対多数で否決

※英国=UK(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland:グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)。イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4カ国で構成される。英国国旗であるユニオンジャックは、当該4カ国の国旗を掛け合わせたデザインとなっている。日本国内ではイギリスが通称。

当時の結果は残留派が勝利。スコットランドは無事、英国に留まることになり、これを見守っていた世界中の人々はホッと胸をなでおろした、のだが・・・。

今回の英国とEUとの関係を問うた国民投票における、スコットランド国民の意見はEU残留支持が多勢。このスコットランドの意に反し、英国全土を対象とした国民投票が離脱派勝利で終わるや否や、スコットランド自治政府首相は、英国からの独立を問う住民投票を再度行い、英国からの独立およびEUへの単独加盟を目指す方針を示した。

この動きに呼応するように、北アイルランドからもも英国からの独立を求める声が強まっている。

英国を構成する、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4カ国のうち、英国のEU離脱を機に、スコットランドと北アイルランドが英国から独立するとなれば・・・。

英国はEU離脱とともに、連合王国の崩壊危機にも再び直面することとなった。

※ロンドン市が英国から独立して、EUに単独で加盟しようとする向きもいるようだ。

 

<EUとの関税取引、金融街シティの失墜>

英国がEUを離脱すれば、EU加盟国とはこれまでのような関税フリーの自由貿易はできなくなる。そのため、英国はEUに対して「離脱通告」を行い、その後の2年間でEUとの貿易取引における関税の取り決めを交渉することになっている。

それだけではなく、今までEU加盟国として、EUを介した他国との貿易取引における諸条件の見直しや再考にも迫られることになろう。

その逆もまた然り。EU圏外からやってきて、ロンドン等の英国都市に支店を置き、EUのルールの恩恵に授かってEU域内で広くビジネスを行っていた企業は、自社におけるロンドンや英国の立ち位置を考え直さねばならなくなる。

英国がEUを離脱すれば、英国内支店はEU域内でのビジネス拠点足りえなくなるためだ。

これまでのように、EU域内で「ヒト・モノ・カネ」の移動の自由を利用したビジネスを行うのであれば、フランスやドイツ国内にメイン拠点を移さざるをえなくなる。

例えば、欧州最大の金融街として長らく名を馳せたロンドン・シティは、その立場が危うくなろう。既に幾つかの世界的大手金融機関は、ロンドン・シティに置いた支店から数百名~数千名規模の従業員をEU域内の支店に移動させる計画を示唆している。

皮肉なことに、移民や難民の流入に苦しんでいた英国が、EU離脱によって、ヒト(優秀な人材)とカネ(資本)の国外流出に苦しむことになる可能性は低くない。

 

Brexit-英国がEU離脱へ!今後の見通しは?③

 

Brexit-英国がEU離脱へ!今後の見通しは?①

 

本記事は、2016年06月29日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
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